1兆円市場実現に向け前進
自民党などは、カジノ解禁を含めた特定複合観光施設(IR)を整備するための法案を国会に提出した。
日本維新の会、生活の党の議員などとの共同提出で、公明党は加わらなかった。
超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連、通称:カジノ議連)の会長、細田博之自民党幹事長代行が5日、党本部で記者団に明らかにした。
今国会の会期は6日までのため、1月召集の次期通常国会で審議し、成立を目指すという。
与党の一角の公明党は、石井啓一政調会長によると、自民党の法案提出を特例で了解しており、法案そのものへの賛否についてはこれから検討する。
現行の刑法でカジノは賭博にあたるため法整備が必要で、これまでも同議連を中心に解禁を目指す動きがあったが実現しなかった。
約1兆円の市場規模と見られる日本のカジノが、実現に向けて大きく踏み出した。
カジノは現在日本国内で違法だが、東京が2020年夏季五輪の開催都市に決定したことを受け、法制化の期待が高まっている。
日本のカジノ市場の創出に向けて、米ラスベガス・サンズやMGMリゾーツ・インターナショナルなど世界的なカジノ運営企業が具体的な投資計画を明らかにしている。
カジノを中心としたゲーミング企業の研究をする日本大学経済学部の佐々木一彰専任講師は、次の国会で「法案は確実に可決すると思う」という。
「これまで10年以上続いてきた議論だが、一歩前進した。東京オリンピックの誘致が非常に大きな要因となった。インフラの整備をしなければいけないので、日本人が前向きになった」と電話で述べた。
全てのエネルギー日本企業でも、パチンコホールなどを経営するダイナムジャパンホールディングスは、全てのエネルギーを日本におけるカジノの準備に集中すると、佐藤洋治取締役会議長が先月28日、説明会で述べた。
ラスベガスのシーザーズ・エンターテインメントの国際開発部門のスティーブン・タイト氏は9月、セガサミーホールディングス、コナミなどと協議に入っていることを明らかにした。
提出された「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」は、許可を受けた民間事業者が国の認定を受けた地域でカジノ施設や宿泊施設などが一体となった「特定複合観光施設」を設置・運営できる規定を盛り込んでいる。
日本維新の会は先の通常国会で独自に同趣旨の法案を提出しているが、自民党議員が提出者となるのは初めて。
「当初から10数年かかった。それだけいろんな意見がある法案だ」と細田氏は5日、記者団に述べた。
「観光客が増えるとか、いいプラスがある。国際的な反響は大きい。外での動きも相当出るのではないか。ぜひやりたいという会社が国際的にたくさんいる」という。
慎重論も超党派議連は11月12日の総会で、カジノ解禁法案を今国会に提出するため、各党内の手続きを進める方針を確認したが、民主、公明両党は党内に慎重論があることから議論が進まなかった。
みんなの党も結論を持ち越している。
議連には11月12日現在、自民、民主、公明、日本維新の会、みんなの党、生活の党などの国会議員約170人が登録。
安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、生活の党の小沢一郎代表らが最高顧問に名前を連ねている。
議連の幹事長の自民党、岩屋毅衆院議員は「やっと国会での議論に付せる状況まで来たのは非常に感慨深い」と述べた。
「今から本格的な国民的議論も始まると思うので大いに議論に応じていって国民の理解を得て、ぜひ成立を期したい」
米投資銀行ユニオン・ゲーミング・グループは、日本でカジノが解禁されれば約1兆円の市場規模になり、マカオに次ぐ世界2位の市場になる可能性があると試算している。
ブルームバーグ
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