【北海道新聞から】
小樽潮陵高新聞局(海老名光希(こうき)局長、12人)は、月1回のペースで発行している学校新聞で、カジノを中核とする統合リゾート施設(IR)の誘致問題を取り上げた。
誘致への賛否を質問した校内アンケートでは反対が賛成を上回り、治安の悪化を懸念する回答が目立った一方、経済効果を期待する意見もあった。
特集を組んだのは6月27日に発行した学校新聞で、A3判表裏計2ページのうち裏面1ページを使ってカジノ問題を展開した。
アンケートは全校生徒796人のうち、回答があった727人分を集計。
誘致の賛否について、反対が34%と、賛成の20%を上回った。
一方で「どちらとも言えない」が45%で最も多く、新聞局は「具体的な計画が見えず、判断材料が少なかったため」と分析する。
カジノ誘致による影響(複数回答)では、メリットは《1》観光客の増加(259人)《2》市の財政再建(182人)《3》雇用の増加(145人)―の順だった。
デメリットは《1》治安の悪化(372人)《2》青少年への悪影響(287人)《3》ギャンブル依存症(241人)―が上位を占めた。
一方、小樽への誘致の動きについて「知らなかった」が55%を占めた。
取材した中根杏奈さん(17)は「小樽の将来を左右する重要な問題なので、特集を機に校内でも関心が高まれば」と期待する。
このほか、誘致賛成派の「小樽国際観光リゾート推進協議会」と、反対派の「カジノ誘致に反対する市民の会」の代表者へのインタビューも掲載した。
これまでの学校新聞は部活動などの紹介記事が中心で、社会問題を取り上げたのは初めて。
海老名局長(17)は「賛成、反対派ともに小樽の活性化策を真剣に考えている点では一致していると感じた。
取材で人口減少の深刻さを知ったので、今後は小樽の観光を盛り上げる記事を書いていきたい」と話している。
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