逃げるカジノ、追いかけるパチンコ。
その狭間で右往左往するダンスクラブ。

法制レースの中で、確実に先行しているのはカジノの合法化。
カジノに関しては、すでに昨年12月にIR推進法と呼ばれる法案が国会提出されており、本年通常国会の予算関連法案の審議が終わった後、すなわち4月終盤以降から始まる通常国会の審議法案に何とか優先的に入り込もうと画策をしている状況です。
それに対して猛追し始めたのが、先月14日に議連組成がなされたパチンコ換金の法制化論議。
パチンコ換金に関しては、正直、単独で賛成世論を形成するのは難しく、何とかカジノ合法化論議に便乗する形で実現を図りたいというのが関係者の思惑です。
幸い現在のカジノ法制は、すでに国会提出されている上記「IR推進法」と、その後に提出される実務を定めた法規「IR実施法」の二段構えになっています。
既に提出されている推進法に追いつくのは無理でしょうが、何とか二つ目に出てくる実施法の審議にはパチンコ換金法制案を間に合わせたいという意図が垣間見えます。
そして、カジノ法制とパチンコ法制の狭間で、文字通り「右往左往」しているのがダンスクラブに関連する風営法改正論。
クラブに関する法改正は、すでに内閣府に設置された規制改革会議の中でも優先事項として挙げられており、少なくとも改正に向けた「レール」の上には乗っているいます。
しかし、その改正論議が、同じく風営法の管轄下にあるパチンコ法制論に追いつかれてしまうと、完全に議論が混乱するのは目に見えているので何とかそれは避けたい。
カジノを目指して猛追してくるパチンコの圧力を背中に感じながら、必死で「逃げ」を打っているというのがクラブ法制論の現状です。
このような三者三様の中で、間違いなく「ダークホース」となるのがパチンコ法制論。
ダンスクラブ法制も何としてもパチンコから逃げ切りたいというのは上記の通りですが、カジノ側はカジノ側でパチンコに変な形で追いすがられると、全体がご破算になってしまう可能性も否定できない。
「パチンコ換金の法制化」は世論的にはかなり微妙な案件であり、反発は必至なのだが、業界自体の体力がデカイだけに「ここぞ」という時の追込みは強力。
それゆえに、カジノはカジノでパチンコに追いつかれぬように必死で今期国会中の法案成立を画策しているワケですが、こっちはこっちでまだまだ予断を許さぬ状況ですね。
この三案件、全部が警察庁生安局の担当になっているという。
BLOGOSから引用
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